人材派遣会社を通しての派遣社員の導入は、企業の中で軋轢が生じるケースがあります。派遣社員は急な人材補充にも対応でき、また経験者でスキルを持っているがゆえの即戦力として雇われているため、パートスタッフやアルバイトはもちろん、正社員よりも給与が高いというケースが少なくありません。これには、いろいろな理由があります。一つは給与の支給元が異なっていること。正社員、パートスタッフやアルバイトは働いている企業と直接雇用契約を結び、当然のことながら、給与の支払いも雇用先の企業です。しかし、派遣社員は働いている企業とは雇用契約を結んでいません。あくまで人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣されてきた身ですので、給与の支払い元も人材派遣会社になっています。理由の二つ目は、即戦力ということ。派遣社員は先ほどにも述べましたとおり、急な人材補充に対応できるほどの、スキルと経験を持った人材です。その点も加味された給与になっています。三つ目は、短期契約であること。契約社員は基本的に3ヶ月や1年といった短期の契約を結びます。契約の終了時に契約を更新して、継続するということはありますが、基本的にはとても不安定な状態です。企業との雇用契約を結んでいないため、保証がないのです。そのための高収入という側面があります。
以上のような背景があって、パートスタッフやアルバイトよりも、給与の高い派遣社員ですが、はじめて赴任した際は当然ですが、その職場は不慣れですので指示を仰ぐ必要があります。はじめての場所ですので、業務の進め方、機材の置き場所、みんなの暗黙の了解といったルールも把握できていません。正社員から直接指示を仰ぐことができる職場なら、あまり問題はありませんが、人材不足の背景からパートスタッフについて習うことになる職場も少なくありません。その場合に起こるのが、パートスタッフと派遣社員との軋轢です。派遣社員のほうがスキルや経験はあっても、現場のノウハウは長年働いているパートスタッフの方が持っています。そんな状態の中で、パートスタッフ側が、自分よりも派遣社員の方が遥かに高く給料をもらっていると思ってしまったらどうでしょう。不満に思う人も出てくるのが条理です。
これを避けるには2パターンが考えられます。派遣社員がけして給与額を漏らさないこと。軽く聞いてこられたとしても上手くはぐらかしてしまいましょう。もう一つのやり方としては、不満が高まる前に、現場でパートスタッフとも付き合いの長い正社員から、派遣社員の立場について説明してもらうことです。急な短期間での補充であることや、この会社以外でもたくさんの経験を積んできたことなどの背景を話してもらうことで、不満が和らぐ可能性が高いのです。直接正社員に言いにくい場合は、人材派遣会社の派遣コーディネーターなどを挟んで相談するといった手段が有効です。この場合は、関係が大きくこじれる前に行動に移す必要があるので、早めに相談することをおすすめします。